歯科

当院の歯科治療の取り組み

当院は、ペットの歯科疾患を近年の長寿化とともに、健康長寿を目指すすべての飼い主様にとって無視することができない課題ととらえ、これまで様々な取り組みを重ねてきました。ペットの歯科疾患について、皆さまに理解してもらいたいその特殊性と、当院の取り組みについて説明させていただきます。

1.麻酔

ペットの歯科治療は、人と異なり、何歳になっても治療をするには常に麻酔が必要です。よって、歯の専門知識だけではなく、高齢期に罹りやすい心疾患、腎疾患、内分泌疾患、腫瘍疾患、麻酔について幅広い知識と深い理解が必要不可欠です。歯の治療にどれほど向き合っても、手術前後の持病の管理などが万全でなければ、ペットを健康にすることはできないのです。例えば、5歳の時に修復した歯が、腎疾患、心疾患、腫瘍などのさまざまな持病を有する可能性のある12歳になって再治療が必要になったらどうするのでしょうか。年齢と持病によっては、(その後の麻酔トラブル回避のために)保存的な治療よりも抜歯が適切になる場合もあります。当院は、様々な内科疾患をもつペットにおいても安全に処置ができるよう、歯科だけではなく質の高い内科の疾患管理にも重点を置いています。

2.メンテナンス

歯の病気は、骨折や外傷などの病気のように治療して終わりではなく、治療後のケアがうまくできなければ、治療が無駄になってしまうという側面があります。私が歯科治療をする上で一番大切にしていることは、『家庭でずっとケアしやすいように治療する』ということです。これは、治療後のケアまで院長が責任をもって向き合っている当院の大きな特徴です。

歯科治療の質の評価は、治療直後よりも数年先の状態で評価されるべきものであると考えています。治療直後、口臭がなくなりきれいに見えるのは、誰が治療しても当たり前のことです。1年後、3年後、5年後もよい状態を保つためにはどうすればいいのでしょうか。もちろん歯磨きが大切ですが、簡単ではありません。この目標を達成するには、様々なことを検討し、十分な話し合いも必要です。
当院のホームページの症例紹介の写真も、数か月から数年の経過で紹介されています。当院の長期的視点に立った治療方針も同時に触れていただけると嬉しいです。

3. 「診る」、「治す」精度へのこだわり

当院では、すべての歯科処置、歯石取りに、拡大鏡(3倍または5.5倍)、マイクロスコープなどの視野拡大装置を使用しています。動物の歯科治療は麻酔が必要であり、誤診や治療のやり直しができないと考えなければなりません。一度の治療で最高の結果を残すために使用します。

4.口腔内腫瘍

歯科治療をしているときに、口の中に腫瘍があることはまれではありません。執刀医は、歯科処置の時に遭遇する可能性のある様々な病変に対し、悪性腫瘍の可能性を常に考慮し、麻酔中に見つかったその1回限りのチャンスに適切な対応をしなければなりません。腫瘍疾患に対しても、院長は腫瘍認定医の専門的知識を有し、歯科治療だけではないバランスの取れた治療を心がけています。

5.精度の高い画像記録へのこだわり

「画像記録をいくら頑張っても治療に関係ないのでは?」と思われるかもしれません。記録というのは、診療の土台になるものです。質の高い写真から細かい情報が得られるほど、診断の精度が増し、同時に誤診を防ぐことができます。また、治療後の状態を画像で精査することで、ひとつひとつの治療について反省や改善、工夫が生まれ、次の治療やケアに生かすことができます。
当院のホームページの症例写真を少し注意して見てみてください。精度の高い画像から、肉眼では観察できない世界を実感していただきたいです。

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