猫の吸収病巣

猫の吸収病巣について

“吸収” とは、自分自身の体から発生した免疫細胞の一種(破歯細胞)によって歯が食べられてしまう変化(貪食:どんしょく)のことを言います。健康な体でも、乳歯が永久歯に生え変わるときに乳歯の根っこでこの現象が起きて、乳歯が抜けます。
この病気は、この “吸収” という現象が永久歯に起きてしまう病気です。一見 “虫歯” のように見えますが虫歯ではありません。基本的に猫の病気で、罹患率は20~75%です。犬でもまれに見られます。多くの研究がされていますが、正確な原因はわかっていません。

stage1

stage2

stage3

stage4

  • 最初は一部だけ吸収されている歯も、徐々に進行して歯髄(神経)が露出されるようになり、痛みの原因となります。
  • 歯の根っこ(歯ぐきの下)でのみ吸収が起きている場合は無症状ですが、そういった歯も結局は歯冠部分に進行して痛みを感じるようになり、治療が必要になります。
  • 一つの歯で吸収が起きた猫では、その他の歯でも吸収を受ける可能性が高くなります。
  • 吸収の仕方によって、タイプ1、タイプ2、タイプ3に分類されます。
  • 吸収の程度によってステージ1~5に分類されます。
  • 吸収のもっとも起きやすい歯は、下顎の第三前臼歯であることがわかっています。(黄色矢印)

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猫の吸収病巣

下顎の第3前臼歯に発生した吸収病巣。赤い歯肉のようなものが歯の上に盛り上がっている。外見からわかる吸収の所見です。

猫の吸収病巣のレントゲン写真

右の隣の歯と比べて、矢印の歯の構造が幽霊のようにすかすかになっているのがわかる。(吸収)

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