犬の歯周炎治療について
歯周炎の治療のカギは、飼い主様が歯周炎について理解し、その上で日々のケアをしていくことだと考えています。ご家族が積極的に治療や予防に参加し、自宅での質の高いケアを目指す気持ちがあって初めて健康な口を維持することが可能になります。
歯科治療の質の評価は、治療直後よりも数年先の状態で評価されるべきものであると考えています。
治療直後、口臭がなくなりきれいに見えるのは、誰が治療しても当たり前のことです。1年後、3年後、5年後もよい状態を保つためにどうするかを飼い主様と一緒に考えていきます。
当院の歯周病治療は、①精度の高い歯石取り、②歯周病リスクを軽減する治療 の二つを治療の柱にして処置を行っております。このような明確な目標設定が当院での治療の特徴です。
当院の犬の歯周炎治療の特徴
常に拡大鏡を使用
正確な所見の記録
歯科レントゲンでの骨の評価
安定したクオリティー、責任も明確
常に拡大鏡を使用
歯石取り、所見を取ること、歯ぐきの中の歯石の有無、切開や縫合などの処置、すべてが圧倒的に正確になります。
正確な所見の記録
口腔内写真を含め、すべての治療は、正確に歯の所見を記録することから始まります。所見を取ることではじめて治療すべき歯周病リスクが明らかになります。
歯科レントゲンでの評価
骨の病気でもある歯周炎は、レントゲンでの評価も欠かせません。ただ、毎回だとコストもかかるため、必要性が高い場合に特にお勧めするようにしています。
安定したクオリティー、責任も明確
処置はすべて院長がしているため、治療の質は安定し、責任も明確。
症例
7歳のジャックラッセルテリア
治療前
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赤黒い歯ぐきの色に注目。「今までは歯ブラシができなかったが、これからはとにかく上手に歯ブラシをしたい」という希望。長く歯ブラシでケアしやすくなる治療を立案。
ていねいな歯石取りに加え、歯周病を安定化させる処置として、歯の分割や抜歯を実施。
治療後1週間
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ていねいな歯石取りの結果、健康な歯ぐきに改善。歯ぐきの色に注目。
治療後18か月
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歯ブラシだけで18か月経過。歯ぐきの色に注目。上手に歯ブラシできている。レントゲン上でも分割した歯の治療後の状態もよい。
総合評価
長期経過も良好で18か月後の処置では歯石取りのみで抜歯はなし。
精度の高い歯石取り、歯の分割、レントゲンなどに基づいた選択的抜歯、歯周病リスクの軽減、繰り返しの歯ブラシ指導、これらの総力で安定したメンテナンスに移行できた。
処置前は、歯周病により歯ぐきの痛みが強かったため歯ブラシができなかったが、処置により痛みがなくなったことで歯ブラシがしやすくなり、7歳からでも歯ブラシの習慣をつけることができた。