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犬の歯が折れた(破折)

犬の破折について相談が多いので、考え方について簡単にお伝えしたいと思います。

歯は、皮膚などの臓器と異なり自然に修復する機能がないので、“様子を見る”という選択肢はありません。基本的には修復治療するか、抜歯するかの選択となります。

歯が折れた時に考えなければならないのは、単純化して考えれば次の3 点です。

① 露髄しているか

② いつ折れたか(折れてから2-3日以内か、それ以上か)

③ 破折線は、歯冠部分だけか、歯根まで及んでいるか

① ⇒ 歯髄(神経)が露出するので、痛いです! すぐに神経を保護する治療が必要です。露髄していなくても、歯の象牙質と呼ばれるものは中空構造になっているので、直接露髄していなくても痛んだり、感染が歯髄に及ぶこともあるので、(特に神経の近くまで損傷している場合は)修復治療が必要です。

② ⇒ 露髄した場合、すぐ治療できた場合は歯髄の感染が表層にとどまっているため、根管治療ではなく、より簡易な歯髄を温存した修復治療が可能です。これができると様々な面で治療の負担を軽くすることができます。

ただし、この治療をするためには損傷してから2日以内程度である必要があります!

③ ⇒ 歯根部分まで破折線が及んでいる場合、修復後に汚れがたまりやすく、歯周炎になりやすくなって、健康な歯ぐきを保つことが難しくなる場合も多いです。修復する場合は接着修復だけではなく、歯根部分と歯周組織の取り扱いに十分な配慮が必要になります。

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