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院長のつぶやき(歯科)

犬や猫の歯は、すぐに汚れて口臭が出て、きれいにしてもそれを保つのはとても難しいですよね。

人間のように細かくお手入れはできませんし、歯石を取るだけでも麻酔が必要だし、歯石取りをして一時的にきれいになっても、きれいに保つことなんて至難の業!

ずっときれいな口を保つことができればいいのに。。。

私(院長)も同じように感じており、日々この難問に向き合って格闘している毎日です。

犬猫の歯科治療の、究極の目標とは何でしょうか。

当院では、それは年齢や持病などによって異なると考えています。

中年齢までは、可能な限り質の高いケアで歯周炎を予防していくことが最も重要です。

この時期のケアの質で、その後の歯の状態が決定されるといっても過言ではありません。

高齢期に近づいてくると、優先すべきは一本一本の歯よりも、持病の管理や全身状態が重要になってきます。

高齢期になっても、歯を残すために人間のように半年ごとに(麻酔をかけて!)歯石取りを続ければいいのでしょうか?もし高齢期にそんなことしたら弱ってしまいます。それで犬や猫はハッピーなのでしょうか? 

私は、歯科治療の究極の目標は、

「何歳になっても自宅のケアが継続でき、口に痛みや炎症がない状態を保つこと」

だと考えています。

高齢期になって、たくさん歯が残っているからと言って、歯ブラシできない、口が痛い、いつも頬が腫れている では治療は失敗です。残っている本数だけの問題ではありません。

無理して、大きなストレスの中で歯を残しても、犬や猫は幸せではないと考えています。

目標達成への道は、

  • 年齢と持病の質
  • 歯周炎になりやすい子か
  • 質の高い歯ブラシ習得をどこまで頑張れるか(院長もあきらめずに一緒に頑張ります!)

によって変わります。

この歯科治療の目標がしっかりと獣医師と家族で共有できると、ひとつひとつの治療に迷うことはなくなります。そして、この目標を達成するために最も重要な歯科処置が、10歳の時に行う歯科処置です。10歳以降は麻酔のリスクが上がり、できる処置が限られてくるため、その後を見据えた処置が必要になります。この歯科治療の質によって、高齢期の口の健康の質が決まると考えています。

そのために当院が力を入れているのが、

  • 歯周炎になりやすいかどうかの見極め
  • 持病の管理とそれを考慮した歯科治療計画
  • 拡大鏡を用いた細かな所見の記録と歯石取り

例えば、軽い心臓病を患った8歳の犬の場合。

心臓病が今後も進行することを考えると、一般的に麻酔のリスクが上がる前ギリギリの10歳での麻酔が安全にできる保証はありません。今のうちに麻酔をかける場合も、安全に処置できるよう慎重に心臓病の管理をすることが必須です。

これ以降、麻酔をかけることが難しくなるのならば、自宅のケアで歯の健康を長く維持できるよう口の中を整えておく必要があります。(歯石取りだけでは不十分)

このような治療は、スポットで歯科だけの治療をする歯科専門病院にはない考え方です。

歯科治療は、病気や怪我と違って治療時期をある程度選ぶことができます。気づいたら高齢になり手遅れ…持病が悪化し手遅れ…ということがないよう、目標をもって計画的に、どんな子も高齢期になっても快適な口で無理なく暮らせるような歯科治療を提案します。痛くない、臭くない健康な口でずっといられるように、一緒にがんばっていきましょう。

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