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院長ブログ(歯科)

小型犬と麻酔

同種内でもっとも体重差がある動物が犬です。60㎏近い大型犬もいれば1.2㎏しかないチワワやプードルもいます。前回のブログのとおり歯周炎になりやすい小型犬ですが、歯科治療では様々な麻酔や治療のトラブルが起きやすく、難しいと感じます。 このような子に対して安全な麻酔管理ができないと歯科治療もできません。

最近は2㎏に満たない猫もいて、その場合も同じです。

小型犬で、高齢だった場合はなおさらです。

今回はその点の解説をしたいと思います。                                                                                                                                                                                          この写真の子は1.2㎏のプードルです。 何が難しいのかを考えてみます。 

全身麻酔について(麻酔管理の難しさ)

① 気道が狭く、換気量が少ない: 気道が狭いと麻酔回路内の水滴などで気が付かない間に容易に閉塞してしまったり、体位変換の際などに気管チューブによる気道の損傷を起こしやすいです。

② 循環血液量が少ない(血圧が下がりやすい): 歯科治療において出血は避けることができない合併症ですが、同じ5mlの出血でも50㎏の犬と1.2㎏の犬ではその重みがまったく異なります。つまり低血圧や貧血の問題が起こりやすいです。

③ 体温が下がりやすい: お風呂のお湯に比べてコップのお湯がすぐ冷めるのと同じです。歯科治療では水をたくさん使うのでそれも要因の一つです。麻酔中の低体温は、不整脈がでやすくなるなど、麻酔の合併症が大きく高まることが分かっています。

④ 小さくて狭い口の中でも正確に処置しなければなりません。

⑤ 長時間の麻酔に耐えづらいので、迅速に処置しなければなりません。

⑥ 最小限の侵襲(外科的な負荷)で回復を早め、早く自分で食事が摂れるようにしないと術後なかなけ元気になってくれません。 (大型犬のように食べるまで待つことができない。)。

⑦ 顎のサイズに比べて歯が大きいので、下顎骨折を起こしやすい。(とても恐い合併症の一つ)                                                                                                                                                       

以上、小型犬の歯科治療がなぜ難しいのか、解説しました。

小型犬のこれらの問題への対策なしに安全な歯科治療はできないでしょう。

年齢、持病の状態、家族の麻酔に対する思い、歯ブラシの技術、動物の性格、様々なことを考慮して治療を組み立てていきます。

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