院長ブログ(腫瘍)
比較的新しい抗がん剤「ドキシル」
ドキソルビシンという古くからある抗がん剤は、血管肉腫や乳腺がん、リンパ腫などの悪性腫瘍に現在でも幅広く使われている抗がん剤です。
ドキシルは、ポリエチレングリコール化してリボソーム内に封入してあり、腫瘍組織内により長くとどまり、腫瘍内の薬物濃度を高めることができるようになっています。
それにより、副作用を軽減して薬の効果を大きく高めることができるようになります。
抗がん剤治療中も、敗血症や食欲不振などの重い副作用がなくて効果の高い抗がん剤が、獣医の世界でも使われ始めています。
最近いくつかの症例で使い、効果を実感できる症例も増えています。
最近は、このような従来の薬を応用してより腫瘍細胞に効果的に薬を届けるように工夫した製材や、使い方が進化していると感じます。