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院長ブログ(歯科)

猫の口内炎

猫ちゃんには口内炎というやっかいな病気があります。

その口内炎、このような経過の口内炎の猫ちゃんが当院によく来院します。(年間30例前後)

ご家族にこれまでの病歴をお聞きすると、

「ほとんどのケースで3-5年前から口が痛くてかかりつけの病院で抗生剤やステロイドの治療を受けているが、いつまでも口の痛みがよくならずに定期的な抗生剤の注射と2日に1回のステロイドを服用しないと生活できない」

というようなお話をよく聞きます。

このような話を聞くたびにとても残念に感じるのが、

  1. その治療はその時だけ症状を緩和する対症的な治療で、根本的な治療ではないにもかかわらずずっとそれを継続してしまっているということ。(いつまで続けるのか?)
  2. そのような数年の治療の目的は何だったのか?
  3. もっと早期に(抜歯処置で)より根本的な治療ができなかったのか
  4. 限りある治療費用を一時的な対症治療に数年にわたって使うべきだったのか?

という点です。

もちろん、抜歯処置をしても治療反応のよい子たちは6割くらいで、この写真の子のように半年たっても薬が切れない子がいるのは事実です。

それでも投薬の負荷は減らすことができて痛みも軽減でき、多くの子が数か月かけて少しずつ改善していきます。

治療が長引いてもご家族の中には根治の希望があり、猫の表情もよくなり、飼い主も根治に向けて前向きになれる治療であると感じます。

歯石取りも一時的に口内炎を改善させる効果はあります。多少のプラークで口内炎を発症してしまう猫に対して、生涯にわたって麻酔をかけて歯をきれいに保ち続けることは容易ではありません。

長期的な目線でどのように治療するのか、ということが重要だと当院では考えています。

過去の様々な文献や研究を網羅した下記の研究も参考になります。一般の飼い主様も閲覧可能な文献です。 

  1. Da Bin Lee, Frank JM Verstraete, Boaz Arzi An Update on Feline Chronic Gingivostomatitis Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2020 
  2. Mauricio Sánchez-Vallejo, Paula Vélez-Velásquez, and Nathalia M Correa-Valencia Feline chronic gingivostomatitis: a thorough systematic review of associated factors Journal of Feline Medicine and Surgery. 2025
  3. Maria Soltero-Rivera, Stephanie Goldschmidt and Boaz Arzi  Feline chronic gingivostomatitis: current concepts in clinical management Journal of Feline Medicine and Surgery (2023) 25, 1–16
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